真夜中のひとりごと

気ままな趣味の記録

星降る夜に、さあ出掛けよう

見てきました「星降る夜に出掛けよう」

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いやーーーーよかった。見に行く決断をしてよかった。言葉にできない満足感でいっぱいです。こんな特別な舞台は今後あるかわからないから、感想を記録として。

正直なところ、この舞台を楽しめるのかすごく不安だった。歌舞伎の舞台で見ている玉三郎さんと、わたしの中で今をときめくSixTONES髙地優吾、という私得極まりない組み合わせの舞台だったけど、歌舞伎以外の舞台鑑賞経験が少ない自分がいきなり見るには難易度高そうな戯曲が題材。かつそれを玉三郎さんの世界観で脚本・演出されるなんて、きっと凡人にはわからない世界なんじゃないか…無理くり理解しようとしなければいけない世界なんじゃないか…とふたりが好きだからこそ、楽しみより不安が大きく、無駄にハードルを上げまくって構えていた。

けど、いざ幕が上がったらそんな不安はどこへやら。難しいことは考えず、気負わず、今この舞台にいる人たちだけを見ていれば良いんだと、最初の髙木くんの歌を聞きながら気持ちがふっと楽になった。この時ばかりはその場の雰囲気に流されやすい自分に感謝。

 

物語について

人は誰しも孤独である。でも誰かに出会うことで新たな気持ちに気付くことができるし、今とは違う場所に行くこともできる。

孤独や友情を軸としたそれぞれ独立した三篇の物語。短いながらも物事の本質を貫くような台詞もあり、かと思えば非現実的で謎めいた設定もあり、なんだこの不思議な世界は…と戸惑いもあったけど、舞台で見れてよかった。何がどうとか、これはきっとこう、とか批評じみたことは言えないけど、鑑賞後のこのよかったな〜という気持ちはきっと幼い頃に外国の絵本を読んだ時の感覚と似ているんだろう。その時はわからなくてもずっと心の奥底にあって、ふとした時に思い出すことがある。そんな心の栄養を舞台からも受け取った気がした。

 

玉さんと髙地さん

いや、玉さんましてや玉くんなんて普通呼べないよ!つい玉様と呼んでしまうよ!といつかの髙地さんのブログを思い出す。

開演前にCHEERと松竹座のパンフレットを読んだ。(舞台直前に摂取する情報量じゃなかった。完全に情報過多である)玉三郎さんと髙地さんの距離がめちゃくちゃ近くなっていることに感激し、舞台ではマントの翻し方、衣装、舞台での立ち姿、、至る所に玉三郎さんイズムを感じて、こうやって、いろんなことが受け継がれていくんだね…とえも言われぬ感情に………

歌舞伎界でも玉三郎さんから教えを請いたい、この役をするなら玉三郎のおじさまに練習をつけてもらいたいと言われているのをよく目にする。(余談だけど、わたしはこの◯◯のおじさまという呼び方がとっても好き!上品で可愛らしい…)ご自身の舞台もありながら、他の人にも教え、歌舞伎以外の舞台もなさっている多忙な玉三郎さんに、みっちり演技や歌のご指導をいただいたなんて、どれだけ贅沢で貴重なことなんだろう。

この先玉三郎さんが手がけられる舞台はそんなに多くはないと思う。雑誌のインタビューでも"すごく大きな財産をいただいています"と言っていた髙地さん。濃密な時間を過ごした経験がこれから先の髙地優吾という人物にどう反映されるのか。くぅーーーーーー(言葉にならない)もう今後も一挙一動から目が離せないや。

昨年の舞台の練習からご縁ができ、それが今回の舞台に繋がって。"孫のように可愛がってもらっている"だなんて、すごくいい関係を築かれたんだなぁと嬉しさでいっぱい。"誰にでも豆イケる"とラジオで冗談めいて話してた髙地さんだけど、その肝の据わり方と愛嬌のバランス、仕事に真摯に取り組む姿に尊敬すら覚える。言い値で買うので練習風景の動画を見せてくれませんか…

 

舞台を見てのざっくり感想

・始まってすぐセットの少なさに驚く。少なさ、というより何もない。何もない舞台の上で自分の演技と歌で勝負する3人のかっこよさよ。。

・アンサンブルの人たちもすごかった。彼らがいるからこの舞台は成り立っているんだな。見えないものにも、どんなものにもなる役者さんてすごいや…ところで霊に取り憑かれて猫背でたばこをふかしている髙地さんがめちゃくちゃ良かったんですが!?!?

・髙木くんの色気たるや…!!!!!!!あの色気は長髪からくるものなのかと思っていたけど、ばっさり髪を切った松竹座の舞台でも独特の色気を纏っていた。すらっとした立ち姿、表情、振る舞い、、初めてお見かけしたけど舞台が似合う人なんだなぁ。星の王子様の冒頭でひとり歌いだした瞬間が忘れられない。あのシーンがわたしの緊張を解いてくれた。後半のショーでの髙木くんの立ち姿、衣装も相まってこれはもう玉三郎さんじゃないかと思うくらいだった。

・人魚の声、玉三郎さんだった…?一度聞いただけなので自信がないけど、たぶん玉三郎さんのお声だった。人ではない美しい生命体がよくお似合いで…

・スターってこんな人のことを言うのかと中山くんを見て思う。演技も歌も踊りもピアノもできて、スポットライトで照らされた彼は紛れもなくスター。人を惹きつける歌声、役に応じて変わる姿、これは舞台で見てこそだよなとしみじみ。シンプルな舞台でも彼が舞台で歌えば一気に華やかになる、そんな才能や努力を目の当たりした。舞台っておもしろいな、中山くんの演技もっと見てみたい。

・情熱をみんなで歌う時(だったかな、どの曲だったか記憶が曖昧)、アンサンブルの人たちと楽しそうに笑いながら踊る髙地さんが印象的で。つい最近もこっからのパフォーマンスでバックバンドの人たちとニコニコ笑いながら歌ってたのを見たので、髙地優吾の髙地優吾たるところ、愛される魅力ってここなんだろうなぁ。良いものを見れた…

・「髙地は、王子様がいいと思うんだよね」と玉三郎さんに言わしめた髙地さん。今回初めて見て、わたしも「あのあどけなくて無垢な、けど背負っているものがある王子様は髙地優吾が演じるからこそ…」と思えた。なるほど、なるほど…さすがの配役…。日々のブログやインタビューで苦戦している様子を隠さず話しているのを見ていたからこそ、全然種類が違う二役を演じ切っている姿を見てぶわーーーーっと感動した。同じ舞台に立った先輩方と比べると、きっとまだまだ伸び代があるんだろう。てことは今後も進化し続ける髙地さんが見れるのか…

・シンプルな衣装から王子の衣装、中山くんのビジューが光り輝くベスト、最後のショーの煌びやかなスーツ、、みんなどんな衣装でも似合うんだなぁ。アイドルってすごい

・忘れられないのは満天の星空。2階最前列で見ていたので舞台全体が綺麗に見れて、星が瞬く様子に心が躍った。星空ってこんなに綺麗だったんだ。シャンパン飲みたくなった。

 

Tender Youth
Tender Youth
ふりむいてるときじゃない
きっと きっと
夢ははじまったばかり

(情熱/安全地帯)

この歌を最後に持ってくる玉三郎さんの演出よ…!今の状況とも相まって胸にくるものがあった。世の中はいろんな情報で溢れているけど、ステージに立つと決めてくれて、素敵なものを届けてくれてありがとうと各方面に感謝。

 

 

舞台っておもしろい!

舞台っておもしろい。何度も何度も見たくなる魅力があるんだなと思えた記念すべき1公演。

惜しむらくは、大千穐楽を取らなかったこと。つい普段の感覚で自分が確実に行ける日だけを抑えて満足してたけど、舞台って何度見ても楽しめる、むしろその日にしか感じられないものがあるから可能なら複数回も足を運ぶのもまた一興なんだろうな…と今後の学びになった。

御園座で公演されてる玉三郎さんも大千穐楽には登場されるだろうし、またカーテンコールでの絡みがあると思うと大千穐楽のレポがいまから楽しみ…(ふたりが話している瞬間をこの目で見たらあまりの尊さに涙してしまうかもしれない)

 

 

日常から離れた知らない土地、重厚な雰囲気のある素敵な空間、推しと御贔屓のコラボという特別な舞台、、いろんなことに感動しながら非日常を満喫できた。この先星空を見たり、ふとした瞬間にきっとこの舞台のことを思い出す。素敵な秋の思い出ができてとっても嬉しい。

 

は〜〜〜新たな扉が開けてとっても良い体験だったなぁ。舞台鑑賞、今後もハマりそうです。